青空文庫を印刷して製本みたいなことをやってみる

こんな日に何やってるんだか。
GIGAZINE12月24日から青空文庫で夢野久作の奇書「ドグラ・マグラ」公開 - GIGAZINEってのを見かけて、試しに読んでみるかと。せっかくなので、きれいにプリントアウトして読めたらというので、試してみたのでやり方のメモ。http://psitau.at.infoseek.co.jp/aozora.htmlに書いてある青空文庫のテキストファイルをTeXのソースにしてくれるスクリプトがけっこうよさげな気がしたので、これを使う方向でやってみる。

制作環境

OSとか
Mac OS X 10.5.1(Leopard) on 初代MacBook
使ったプリンタ
Brother HL-1440

準備

まず、そこで配られてる変換スクリプトアーカイブ「aozora.zip」をダウンロードしてきて適当なところに展開。
次に、JIS X0212 for pTeXから、「pTeX(sjis) + JMacoros package for MacOSX (ppc/intel)」「OTF.sty for MacOSX 安定版」「GPL/ESP Ghostscript 8.15.4 for MacOSX 10.5 (ppc/intel)」をダウンロードしてきて、それぞれをインストール。どれもReadmeに書いてあるとおり、パッケージのインストールでOK。パッケージのインストールをしたら、「pTeX(sjis) + JMacoros package for MacOSX (ppc/intel)」のディスクイメージについている「pdfFontChanger」というのを実行。ほっとくとダイアログがでて「Change the Fonts for dvipdfm」とか聞かれるので、「Hiragino」にする(のがうちの環境ではたぶん正しいと思う)。
変換スクリプトが生成するTeXファイルで、「furikana.sty」というファイルを使うらしいのだけど、さっきインストールしたpTeXのパッケージにはついてないらしいので、探してくる。ぐぐってみるとhttp://imt.chem.kit.ac.jp/fujita/fujitas2/texlatex/ というところで配られてるものらしいのだけど、今日時点ではこのURLにアクセスできてないので、Wayback Machineからサルベージしてくる。「furikanaパッケージ (中ツキルビ)」ってところのやつ。「続LaTeX2e階梯・縦組編」って本に掲載されてるパッケージみたい。
たぶんこれだけでも問題はないはずなんだけど、なんとなくGUIで操作とかやりたいので、TeXShopをインストール。Obtainingのところから「Latest TeXShop for system 10.4 and above」をダウンロードしてきて、ディスクイメージに入ってるTeXShopをアプリケーションフォルダにコピー。で、ダブルクリックで起動して、メニューで「TeXShop」-「環境設定」を選んで、ダイアログ左下の「設定プロファイル」を「pTeX(Shift JIS)」にする。で、最初に表示されてる「書類」タブの「エンコーディング」を「JIS」にする。ここまでやってOKとする。
最初にダウンロードしてきた「aozora.zip」を展開したディレクトリにターミナルで移動して、

$ sudo mkdir /usr/local/share/texmf/ptex/platex/misc/aozora/
$ sudo cp 1010crop.sty  aozora.sty /usr/local/share/texmf/ptex/platex/misc/aozora/
$ sudo mktexlsr

とやる。ただし、ファイル配置をちゃんとしてればいらないのかも。

PDFファイルができるまで

「aozora.zip」を展開してあるディレクトリに、「furikana.sty」と、青空文庫から拾ってきたプリントアウトしたいテキストファイルを置く。
ターミナルで、

$ ./aozora.rb <変換したいテキストファイル>

とやると、TeXのソースに変換してくれる。途中で文書中の何かが理解できないとか文句いってくるので、何行目で何言われてるかをメモっておく。
できあがったTeXソースをTeXShopで開く。
あとでA4両面印刷&中とじで製本したいので、まず下記の通り頭の方のところを編集する。
変更前

\usepackage[final]{aozora}

変更後

\usepackage[final,nakatoji]{aozora}

次に、変換中に文句言われてた行を見て、文句言われてたであろうところを手で修正する。今回やろうとしてたのだと、ルビ関係で3カ所ほど。ほかのファイルだと文字コード関係でいじらなきゃいけないところがあるかも(ってReadmeに書いてあった)。
編集が終わったら保存して、「タイプセット」を押す。いろいろ文句言われて止まるけど、無視してReturn連打。うまくいけばDVIファイルができる。
さっきで来たDVIファイルは、A5縦で1ページずつになってるので、A4横に2ページで両面印刷&中とじができるように変換する。またターミナルの方で、

$ ./dvi2nak <できあがったDVIファイル>

とやる。そうすると、最初のDVIファイルに「2up」が後ろについたファイル名でDVIファイルが作られる。
新しくできたDVIファイルをPDFに変換する。ターミナルで下記のコマンド実行。

$ dvipdfmx -p a4 -l <さっきつくったDVIファイル>

これで、PDFファイルができる。
最後にプリントアウトする。PDFファイルをプレビューで開いて、「ファイル」-「プリント」。ダイアログで詳細設定モードにして、「用紙処理」タブの「プリントするページ」を「奇数ページ」にしていったんプリントアウト。終わったら今プリントアウトした紙を裏返してセットして、「偶数ページ」にして再度プリントアウト。
あとはひたすら紙を折る。10枚おきに中とじするようになってるので、そのようにする。普通のステープラだと中とじできないので、文具・オフィス機器 - 製品情報 - マックス株式会社というのを見つけてきてこれを使った。わざわざ中とじ用のステープラ使ってもいいけど、こっちの方が安上がりなのでこっちにした。

こんなんでたぶんできた。まだ1種類しかやってないんで、できないのがあったりしたら教えてもらえると助かりますです。